〇レーザの原理

当社は日本最大規模のレーザ加工設備と、長年にわたって蓄積されたレーザ加工ノウハウにより、お客様の技術的な課題を解決致します。レーザ加工ならではの高精度加工、高強度接合、超微細加工(微細穴あけ、微細溝加工、微細接合、微細切断等)を実現致します。

研究開発・試作から量産まで承ります。

レーザの原理にご興味がある方は、下記をご覧ください。

レーザとは(Laser)

「誘導放出による光の増幅」という英語の頭文字をとったものです。方向、位相、波長の揃った光源としての特長を持ち、加工等に使用することが出来ます。

Light
Amplification by 増幅
Stimulated 誘導
Emission of 放出
Radiation 放射
LASER
・目的に合わせて制御可能な新しい光源
・役に立つ新しい光とそれを作る装置

レーザ発振器の構成

光共振器
レーザ媒質とその両端にある鏡から構成されている。鏡は透過率100%と0.5~数%からなる反射鏡。

励起現象について

物質の原子
物質は原子の集まりです。この原子核とその周りを回っているいくつかの電子でできています。電子が原子核に最も近い軌道にあるとき、最も低いエネルギーを持ち、最も安定した状態にあります。この状態を「基底状態」といいます。
外部からの
エネルギーを吸収
電子が外部からのエネルギーを吸収すると、電子は安定した低い軌道から最も高い軌道に移ってしまいます。これを「励起現象」といいます。
光の自然放出
励起された状態の電子は不安定なので、電子は元の低い軌道である安定した状態に戻ります。これを遷移するといいます。遷移するときに余分なエネルギーに相当する光を放出します。これを「光の自然放出」といい、電球が光を発生する原理です。
レーザの装置で
考えてみると
レーザ発振器
外部からエネルギーのない状態ではレーザ媒質は安定しています。
レーザ発振器
励起源からエネルギーを与えられたレーザ媒質の中では原子の一部は励起状態となります。
レーザ発振器
励起状態は長く続かず、ある時間がたつと元の状態に戻ろうとして、一定の決まった波長の光を放出します。(光の自然放出)このとき放出された光は同じような遷移を誘発します。
レーザ発振器
最初に放出された光と誘発された光は、方向・位相・波長など全く同じ光となります。これが「誘導放出」と呼ばれる現象。
光の増幅
レーザ発振器
レーザ媒質の軸方向に誘導放出された光は光共振器の両端を行き来して進行を持ち、さらに光が増幅されます。これを「光の増幅」といいます。
レーザ光放出
レーザ発振器
光共振器の損失を上回る増幅が得られたとき、「レーザ光」として放出されます。この光は方向・位相・波長が揃った単一光なのです。

レーザの種類

レーザにはいくつかの種類があります。
発振波長によって異なりますが、主に次のようなレーザがあります。

●赤外線レーザ

CO2レーザ
YAGレーザ
半導体レーザ

●紫外線レーザ

エキシマレーザ

主要なレーザの発振波長

〇加工用途

こちらでは、レーザ種類と適用事例について説明致します。

CO2レーザ

特長

●波長10.6μmの赤外線レーザ
●高エネルギー密度の熱加工である
●波形は、連続からパルスまで調整が可能
●出力は100Wクラスから20kWクラスまで装置がある(当社保有設備は2kW)
●ビームの広がり角が小さく、集光性が良い

メリット

●高エネルギー密度が得られるため、送り速度の速い加工が可能
●レーザのモード(光の強度分布の形状)で、加工内容を変化させることができる
●一つの装置で連続波とパルスでの出力が可能

主な加工用途

●集光光学系による、スポット加工
●スキャナーによる線状加工
●LSV光学系によるイメージング加工(表面改質用)

適用事例

●切断
●穴あけ
●溶接
●表面改質(焼入れ、合金処理など)

YAGレーザ
ファイバーレーザ

特長

●波長1,030nm~1,080nmの赤外線レーザ
●高エネルギー密度の熱加工である
●波形制御は、装置により連続またはパルスを選ぶ
●出力は25Wから10kWクラスまで
●ビームの広がり角が大きいが、装置によってはビームの広がり角を調整し、小さくすることも可能
●パルスレーザは、CO2レーザと比較して、非常に高いピーク出力が得られる
●ファイバー伝送可能(システム化が容易)

メリット

●パルス発振のレーザは、高いピーク出力が得られるため非常に熱影響の少ない加工が出来る。溶接ではひずみの少ない加工ができ、また穴あけなどでは傾斜された穴あけなども可能。ただし、連続発振に比べ加工速度が遅い。
●加工する部分が同軸で観察ができる(詳細位置決めが可能)。パルス発振のレーザは、1パルスあたりのエネルギーが調整できるため、より細かい溶接や穴あけ加工が出来る。

主な加工用途

●集光光学系による、スポット加工
●ガルバノミラー駆動による、高速スキャニング加工(スキャニング)

適用事例

●切断
●穴あけ
●溶接
●表面改質(焼入れ、合金処理など)
●マーキング

半導体レーザ

特長

●波長:405nm~1120nm(当社保有設備は910nm~1,060nm)
●発振形態:CW、パルス
●出力:数10W~数kWまで(当社保有設備は~6kW)
●ビーム品質:出力安定
●構造:活性層をP型とN型の半導体(クラッド)でサンドイッチ状に挟むダブルヘテロ接合構造で、順方向(NからP)に電流を流してポンピングを行い、単結晶のへき開面を反射鏡にして発振する

メリット

●必要な部分のみ、選択的に処理可能
●処理面積の精密制御が可能
●複雑な形状の一部、パイプの内面のみ処理可能
●低歪のため、処理後の機械加工は不要
●自己冷却による焼入れのため水や油等の冷却手段が不要
●オンライン組み込が容易

主な加工用途

●シリンドリカルレンズ、ガルバノミラーなどで、線状ビームやリング状ビーム照射
●ワイヤーフィーダ、パウダーフィーダと組み合わせての加工も可能
●ステージ、ロボットとの組み合わせで複雑形状対応

適用事例

●溶接、ブレージング
●表面改質(クラッディング、焼入れ)
●樹脂溶着(異種樹脂溶着、透過樹脂同士など)

エキシマレーザ

特徴

●紫外線レーザ
●YAGレーザ等と比較して、熱影響の少ない、アブレーション加工である
●波長が短い(KrFで248nm)
●パルス幅が狭い(18nsec)
●ピークパワーが大きい(MW単位)
●ビームの広がり角が大きい(集光性が悪い)

メリット

●樹脂材料に対し、熱影響が少ないシャープな加工が可能。
●微細な加工が可能
●加工深さのコントロールが可能
●金属と樹脂などの異種材料が共存する部分でも、エネルギーの調整により、加工が可能

主な加工用途

●マスクイメージング法
●コンフォーマルマスク法
●コンタクトマスク法

適用事例

●穴あけ
●溝加工
●切断加工
●表面改質
●薄膜除去加工
●ワイヤーストリッピング

TEA-CO2レーザ

特徴

●波長は通常のCO2レーザと同じ(当社保有設備は9.3μmで若干短い)
●パルス幅が狭い
●ピークパワーが大きい
●繰返し周波数が早い(当社設備:最大500Hz)

メリット

●エキシマレーザに比べ、加工速度が速い(エキシマレーザの1/10~1/1000)
●エキシマレーザに比べ、ランニングコストが安い

主な加工用途

●マスクイメージング法
●コンフォーマルマスク法
●コンタクトマスク法

適用事例

●穴あけ
●VIAホール加工
●溝加工
●切断加工
●ワイヤーストリッピング

超短パルスレーザ

特徴

●波長:1,035nmの赤外線レーザ
●パルス幅が狭く、可変が可能(350fs~10ps)
●超短パルスと高ピーク出力によるアブレーション加工

メリット

●アブレーション加工により、バリの無い(少ない)微細加工が可能
●高精度な加工が可能
●透明な材料やセラミックス、結晶材への加工も可能

主な加工用途

●固定ヘッドによる高精度加工
●ガルバノミラー駆動による、高速スキャニング加工(スキャニング)

適用事例

●穴あけ
●溝加工
●切断加工

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